南米大陸三大絶景の旅に参加して
 
             時期: 2007年2月
                          掲載日:2007.4.6 

イグアスの滝

イグアスの滝

イグアスの滝

マチュピチュ

マチュピチュ

ナスカの地上絵

天野博物館

織物の文様
 *写真はクリックすると大きくなります。

●イグアスの滝 (アルゼンチン側1984年、ブラジル側1986年に世界遺産(自然遺産))
 国境にまたがる世界最大の滝で、大小合わせて276本ある。イグアスとは原住民の言葉で「大いなる水」の意味。悪魔の喉笛までアルゼンチン側からトロッコと遊歩道で近寄れる。上流を流れる水面は静かだが、80m落下する水の勢いは凄まじい。滝壺は飛沫で見えないが、綺麗な虹がかかっていた。 ブラジル側からボートで滝に近づくと上から落ちる水量に圧倒され、悪魔の喉笛近くまで行ってUターン。水量の少ない滝を選んで突入し、水の洗礼を受ける。フードを抑えた雨ガッパの袖口から水が入り全身ずぶ濡れ。悲鳴が面白いのかサービスなのか何回も繰り返し、国籍を問わず大きな歓声があがった。
● マチュピチュ (ペルー、1983年に世界遺産(複合遺産))
 アンデス山中の都市クスコからアグアス・カリエンテスまで114Kを、列車はスイッチバックを繰り返し3時間半ほどかけて走る。バスに乗り継ぎ20分で標高2,280mのマチュピチュの入口に着く。マチュピチュとは原住民の言葉で「老いた峰」を意味し、「空中都市」とも呼ばれる遺跡だ。インカ時代の皇帝のミイラが発掘された建物や、皇帝と庶民の生活の場がはっきり分けられて興味深い。
 インカ文明は高度に栄えたマチュピチュを残し、16世紀半ば奥地に消えた。それから約400年を経てアメリカ人ハイラム・ビンガムが発見したが、草に覆われ廃墟になっていた。今は国際色豊かな観光地となっている。大空にゆったりとコンドルが羽を広げて飛んでいた。

●ナスカの地上絵 (ペルー、1994年に世界遺産(文化遺産))
 紀元前2世紀から6世紀に描かれたと考えられる地上絵が、ペルー南西岸地方の高原にある。1939年6月ポール・コソック博士により発見され、ドイツの女性数学者マリア・ライヒエが、この地に住み着き地上絵の解明と保護を行った。暗褐色の細かい岩石を20〜30cm掘って、酸化していない明るい色の岩石を露出させて描いている。セスナ機から見ると、鮮明に分かる絵もあるが、色々の線が入り混じって判明し難いものが多い。市販の絵葉書の写真は多少手が加えられている感じである。サル、シャチ、魚などの巨大な絵だが、その目的は諸説があり解明されていない。

●天野博物館 (ペルーの首都リマ市)
 天野芳太郎氏(1898〜1982)は昭和26年再度南米に移住。事業の傍らインカ、プレインカ時代の遺物収集とチャンカイ文化の発見に寄与された。日本人名の付いた博物館には土器、織物、装飾品が展示され、特に墳墓から発掘された織物の美しさに驚いた。
 当時の染色(草木染め)の素材は木綿が多いが、木綿と絹の混紡もあって、繊細・優美・斬新な柄の美に感動した。織物のコレクションは世界隋一と云われ、湿度の少ない気候風土に恵まれて、1000年経った今に織物の歴史を伝えている。(作成者 伊東敬子)