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静内湖キャンプ場跡ゲートを抜け、ピセナイ沢沿いにピセナイ林道を走る。登山口駐車場に着いたのは6時10分だった。途中沢伝いの道はいかにも崩れやすそうで、下山が終わるまで気を抜けない感じだ。復旧工事完了記念碑がつぎつぎ現れるのも、卒塔婆を見るようで気分のいいものではなかった。
登山口駐車場から溝の抉れた林道歩き少々で登山口に着く。かつてはここまで車で入れたようだが、いまは通行止めとなっている。ここからいきなりの急登が始まる。先頭を行く山仲間は絶好調でぐいぐい登って行く。最後尾の私はメモをとったり写真を撮ったりして遅れると、追い付くのが容易でない。7分間隔くらいで合目標識が現れる。二合目は展望台となっていて、樹林の間からこれから登るピセナイ山を覗うことができた。ブナ林を緩やかに登る。四合目を過ぎると、林床にカニコウモリがたくさん蕾を付けている。クルマユリも美しい。
五合目からはダケカンバの樹林を登るようになる。急登をこなすと六合目の小さい広場に飛び出した。一本立てるのにいい。折から小雨がぱらついたが、合羽を着るほどではない。そのまま歩き始めた。雨はすぐ止んだ。ダケカンバとササの緩やかな稜線歩きを楽しむ。
少し勾配がきつくなると九合目。ピセナイ山の山頂部が姿を現し、登山道がよく分かる。ふたたび小雨がぱらつくが、歩いているうちに止んだ。ミヤマハンノキがダケカンバに混じるようになると山頂は近い。急登少々でピセナイ山の頂きに立った。8時39分。二等三角点標石にタッチすると握手を交わした。
ササ原に囲まれた山頂からは素晴らしい大展望が楽しめるはずだが、遺憾ながら山頂部は雲に隠れて山座同定は叶わなかった。晴れていれば曾遊のペテガリ岳、神威岳、カムイエクウチカウシ山(カムエク)、コイカクシュサツナイ岳(コイカク)、1839峰、ヤオロマップ岳などが一望できるだろうに残念至極だが、予報がよくなかったので登れただけでよしとせずばなるまい。
下山後、新冠温泉レ・コードの湯に一浴し、同行の山仲間とは日高本線の時刻の都合もあり静内駅に送って分れた。
(記 山本 進吾)
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