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登山日直前の冷え込みで木々は色づきが進み、登山口近くの雪彦神社は真っ赤な紅葉に包まれていた。登山口は、駐車場から数分歩いたキャンプ場受付の脇にあった。林道を直進しないよう、路面に矢印が期されているのが親切だ。
登山道は歩き始めから、結構な急坂の連続だった。大きな岩を回り込む様にしながら、一気に高度を上げていく。歩き始めて30分弱で、視界の開けた「展望岩」に到着。目の前に、雪彦山の大天井岳を望む事が出来た。雪彦山の三角点ピークは、大天井岳から40分位歩いた先にあるが、古来から雪彦山の盟主とされて来たのは、麓からも見える岩稜の頂である大天井山である。この岩稜の山に修験の道が開かれたのが、雪彦山登拝登山の始まりだった。岩稜の山は見るからに険しそうで、難路が待っていることを予想させる。
「展望岩」からの道は幾分傾斜が緩くなり、植林帯の中を回り込む様に進んでいく。歩き易いのは「出雲岩」までで、その先はいよいよ修験の道らしくなってきた。先ずは樋状の鎖場を登り、大きな岩を回り込むと、狭い抜戸岩が現れた。岩の隙間は40〜50センチ。抜戸岩は各地にあるが、これ程狭い処は初めてだ。大柄な人は、通り抜けるのが難しいかもしれない。抜戸岩を過ぎると、再び傾斜のきつい登り道。要所には鎖やロープが張られているので苦労は無いが、滑らないように慎重に登っていく。「馬の背」の標識が過ぎれば、山頂まではひと登り。
最後の鎖場を慎重に通過して、漸く大天井山(通称雪彦山)の山頂に辿り着いた。山頂は木々に覆われていて視界が遮られる方角もあるが、南面からは播磨の山並みを一望する事が出来た。
大天井山からは一旦下り、稜線上を上り下りしながら三角点ピークへと向かう。三角点ピークには「三角点雪彦山」の標識があったが展望の効かない頂で、やはり雪彦山へ登ったと言うのは、大天井岳に登った事を云うのが相応しい気がした。
此処からは大天井岳近くの鞍部まで戻り、地蔵岳近くを通る下山路を取ったが、この辺りが今日一番の難所だった。大天井岳手前の分岐から少し歩くと、一気の下降が始まり、見降ろすような斜面を、真下に下る様な感覚で降りていく。
地蔵岳への分岐を過ぎた辺りからは幾分斜度が緩くなるが、気を抜けない道が続く。途中ですれ違った登山者から「折角の天気だから、展望の良い地蔵岳に寄ればよい」と言われたが、既に分岐からかなり下っていて、登り返して向かう気にはなれなかった。
下山路は次第に傾斜が緩くなり、虹ヶ滝の下で周回ルートと合流し、沢沿いの路を下っていく。そして歩き始めて丁度4時間、無事登山口に戻ることが出来た。
漸くにして登る事が出来た雪彦山。青空の元、紅葉も見頃。とても充実した山旅が出来た。機会があればまた登ってみたいと思う素晴らしい山であった。
(記 平尾 肇)
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