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国道213号、椎田道路、国道201号 などを繋いで、福智山登山口の上野(あがの)峡に着いたのは10時前だった。 鉄塔横から上野越に直接上がる最短コースは登り口が分からないので、福智町のホームページからコピーした白糸の滝ルートを登り、上野越ルートを下山することにした。
案内には白糸の滝ルートは「登山の醍醐味をぎゅっと詰め込んだ急勾配が続く最短ルート」という惹句が載っているが、その通りのきつい登りだった。鬱蒼とした自然林を沢沿いに行くとすぐかじか橋。沢を渡り、少し登ると大きい駐車場に出る。白糸の滝駐車場だった。少し先で
左に山道に入る。一投足で白糸の滝に着いた。行縢ノ滝ほどではないが、なかなかの迫力だ。滝から先は急登となった。木の根を掴み、踏む急登である。危険箇所もあるので慎重
に三点確保で登った。シダの小道を登ると、15分ほどでビューポイントに出た。傾斜が緩むと、すぐ分岐に出た。左に行くと名桜、虎尾桜に行くことができる。すぐ
先で源氏桜、平家桜分岐がある。右にとると30分で源平の紅白のサクラが見られるようだ。いずれはサクラを楽しむために来ることになるだろう。ヒノキ林となる。岩を掴む急登だ。家人は右に逃げ女坂を見つけた。
おおつが林道に 飛び出したのは11時12分。スギ、ヒノキやコナラなどの混淆林を行く。急登は続く がやや歩きやすくなった。ロープに頼る急登となる。ヤブコウジが赤い実を付けていた。アカマツ林となる。ツルリンドウもルビーのような実を付けていた。待望のカヤトの道に出た。リンドウが咲いている。アキノキリンソウやノギクも咲いていた。急勾配も終
わり、前方に福智山の頂きも見えている。さすがの急登も終わりを告げたのだ。ルンルン気分で登っていると意外な光景に出くわした。何と八丁峠に登山口で出会った保育園児がいるではないか。「ガンバレ」の掛け声も聞こえた。私たちにかと思い、がっくり来たが、よく聞けば「ガンバレ、ガンバレ、ミンナ」と叫んでいた。後続のグループを応援しているのだった。それにしても年長さんとはいえ保育園児に負けるとは三百名山サミッターもカタナシである。寄る年波には勝てないということか。福智山山頂着は12時31分。2時間29分かかったが想定内だろう。風を避けて一段下のカヤトの平地に腰を下ろした
下りは予定通り上野越ルートを採る。クマザサを搔き分けるように下ると、ワンピッチで尺岳分岐。尺岳まで5.1kmとあった。さらに岩っぽい道を下るとほどなく八丁峠分岐。上野越には13時52分に着いた。直進すれば鷹取山、城跡があるようだ。右にとれば内ヶ磯へ、私たちは左にとって上野峡を目指すことになる。一本立てる。
ここからは悪路となった。沢床の岩を踏みながら下るのだが、歩きにくいことこの上ない。堰堤のあたりでは道形がはっきりしなくなった。峡谷とはとてもいいがたい沢を 渡渉しながら下ると、虎尾桜分岐に出た。5分で虎尾桜に行けるようだ。道標があった ことで道に迷っているわけではないと一安心した。堰堤を2つ越えると、建物が見えた。 車を置いた登山口だった。14時49分。簡単に考えていたが思ったより難しい山だった。
(記 山本 進吾)
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