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沖縄県の最高峰、といっても標高は525ⅿで、決して高い山では無い。ただ登山道の周囲はジャングルを思わせる亜熱帯原生林で、本土の山とはかなり趣が違う。その於茂登山を10月の後半に訪ねた。
登山口道入口から5分程林道を歩いた処が登山口で、熱帯の原生林の中を進んでいくと、登山道脇に祠が現れる。石垣島でも、本土の山と同じ様に、古くから信仰登山が行われていたことが偲ばれる。祠の先で、丸木橋で小川を渡り、緩やかに登って行く。雨上がりだけあって、湿気が強く空気が濃密に感じられる程だ。
この日は歩き始めが遅かったこともあり、何時もより少し早いペースで足を運んだが、何かおかしい。たいして歩いていないのに、ポッポと体が火照ってきた。頭から汗が噴き出して、体を流れているのが判る。汗が蒸発していない様にも感じる。高い湿気で汗が蒸発せず、上がった体温が簡単には下がらない様なのだ。これには驚いた。さすがは南国・亜熱帯の山だ。一旦立ち止まり深呼吸。それから何時もの1.5倍位のゆっくりした歩みにペースダウン。牛歩の歩みで山頂を目指した。ゆっくりとしたペースではあるが確実に高度は上がっている様だ。登山道が平坦になり、なおも進んでいくと無線施設の建物が現れる。施設のフェンスを回り込み、細い道を進んだ先が、沖縄県最高峰である於茂登岳の山頂であった。辺りは背の高い草に囲まれていて、三角点近くの小岩の上に上がって周囲を見渡すと、草木らの向こうに南国の明るい海が何処までも続いていた。
(記 平尾 肇)
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